MENU

平山敏春 現在の生活 嫁や子供 家族構成 内縁妻の死後、娘たちは?

日本では外国人の非正規滞在問題が大きく取り上げられる一方、海外で“日本人が非正規滞在者として暮らしている”事実はほとんど語られることがない。

2024年7月1日の時点で、日本国内には約7万8千人の非正規滞在者がいるとされる。

しかしその反対に、海外にも帰国できないまま独り老いていく日本人がいる。

そのひとりが、フィリピンで10年以上を過ごし、70代半ばとなった平山敏春さんだ。

平山さんの人生は、まさに数奇な流転そのものだった。

本記事では、

平山さんの現在の生活、
亡き内縁妻テスさん、
娘マリコ・プリンセス、
日本の家族との断絶、

そして彼が帰国せずフィリピンに残る理由について、分かる範囲で丁寧にまとめる。

目次

平山敏春 日本を離れて20年近く 失われた家族との時間

 

平山さんは九州出身で、若い頃はトラック運転手や土木作業員として働いていた。

日本では妻と二人の子どもがいた。

しかしギャンブルで学費を使い込むなど問題が重なり、夫婦仲は崩れた。

その頃からフィリピンパブに通い、異国の文化への興味を深めていく。

知人から「フィリピンで日本料理店を開かないか」と誘われ、無理に資金をかき集めて渡航したのが2004年のことだった。

ところが、その知人は平山さんの資金をカジノで使い果たし、本人だけ帰国。

平山さんは仕事もお金もなく、言葉も通じないまま現地に取り残された。

フィリピンの貧困地区で救われた第二の人生

失意の中で手を差し伸べてくれたのは、驚くべきことにフィリピンの貧しい人々だった。

食事を分け与え、寝床を提供し、家族のように助けてくれた。

フィリピンには、自分より困っている人には分け与えるという“相互扶助の文化”が根強い。

平山さんはその中で居候生活を続けながら、ジープニーの呼び込み、警備の仕事などを転々とした。

生活は最底辺で、非合法の仕事のために警察に捕まったこともある。

縄張り争いで殴られたこともあった。

それでも生き延びられたのは、人々の支えがあったからだと本人は語っている。

内縁の妻テスさんとの出会い 家族が増えた日々

人生の転機は、内縁の妻となる女性テスさんとの出会いだった。

平山さんは毎朝パンを手に渡して口説き続け、やがて気持ちが通い合った。

テスさんにはプリンセスという連れ子がいた。

その後、二人の間にマリコが誕生し、7人家族のにぎやかな暮らしが始まった。

しかし生活は常にギリギリだった。

電気代が払えず停電が続くこともあった。

揚げ物の屋台を始めてもすぐ盗まれる。

収入の柱となるのはテスさんのバスマットづくりだけの時期もあった。

それでも家族は笑って暮らしていた。

夜風でビールを冷やし、マンゴーの木の実をもいで食べる。

裕福とは言えないが、家族の温かさがあった。

日本の家族は平山さんの行方を知らなかった

2016年、取材班は平山さんが持っていた戸籍謄本を手がかりに日本の家族を探し、娘Kさんと接触した。

娘は、突然消息を絶った父の行方をずっと案じていたという。

優しい父だった。

しかしフィリピンで別の家族を作っていた事実には、複雑な思いを隠せなかった。

弟は父を許しておらず、家族との溝は深かった。

Kさんは運送業で働いているが、決して余裕のある暮らしではない。

会いに行くことも、日本へ父を呼ぶことも現時点では難しいと語っていた。

一方で平山さんも、
「日本に帰っても孤独死するだけ」
と帰国に希望を持てなかった。

非正規滞在の日本人たち 夢に取り憑かれた末路

平山さんの家には、宮崎さんという日本人の居候がいた。

宮崎さんはかつてパブ経営で成功したものの、「埋蔵金探し」にハマり財産を失い、フィリピンをさまよっていた。

彼は「金塊を安く入手できる」と信じ込み、日本の知人から送金を待っていたが、実現しないまま2017年に亡くなった。

平山さんは借金返済のため伊藤さんという日本人を訪ねたが、伊藤さんも戦時中の財宝伝説に取り憑かれた人物で、ほどなくして亡くなった。

二人とも病院に行かないまま命を落とした。

医療保険に入れない非正規滞在者の現実は深刻だった。

2023年 内縁の妻テスさんの死 平山さんの心の空白

2023年、4年ぶりに平山さんの元を訪ねると、家の中に小さな遺影が飾られていた。

内縁の妻テスさんが心臓の病気で亡くなっていた。

53歳という若さだった。

治療費を家族に負担させまいと病院に通わなかったことが背景にある。

平山さんは
「日本に連れて行くと約束したのに果たせなかった」
と語り、深い悔しさを抱えていた。

平山さんの現在 足が弱り外出も困難に

73歳となった平山さんは、足が弱り杖なしでは歩けなくなっている。

最近では外出もできなくなり、

「監獄にいるみたい。自分はここに必要ない」

と電話で語るほど精神的にも追い詰められている。

帰国を提案されても、オーバーステイのため強制送還となれば二度とフィリピンに戻れず、娘たちとも、テスさんの墓とも離れ離れになる。

そのため帰国という選択肢は取らなかった。

娘プリンセスとマリコの現在 救いとなる成長

唯一の救いは娘たちの成長だった。

プリンセスは日系企業を経てコールセンターで経理として働き、将来は起業を夢見ている。

中学2年生になったマリコは英語と科学が得意で、医療系の仕事を目指している。

平山さんの人生の彷徨はまだ続いているが、娘たちの未来だけは確実に前へ進んでいる。

取材班は近いうちに再び平山さんの元を訪ねる予定だ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次