高級腕時計のシェアリングサービスとして注目を集めていた
「トケマッチ」を巡る事件が、ついに大きな節目を迎えました。
中東・ドバイへ逃亡し、その後国際手配されていた
運営会社元代表の 福原敬済(ふくはら たかずみ)容疑者 が、
日本に移送され、警視庁に逮捕されたのです。
本記事では、事件の全体像を整理しながら、
福原敬済容疑者とはどのような人物なのか。
国籍や経歴はどうだったのか。
そして多くの被害者が最も気にしている
「預けた高級腕時計は本当に戻ってくるのか」
この点について、現在わかっている情報をもとに
できる限り丁寧に解説していきます。
トケマッチ事件とは何が起きたのか
「トケマッチ」は、高級ブランド腕時計を
月額制でレンタルしたい利用者と、
自分の時計を預けて収益を得たいオーナーを結びつける
シェアリングサービスとして運営されていました。
公式サイトでは、
「高級ブランド時計を預託することで、
安定した収益を得ることができる」
といった内容が強調されており、
ロレックスなどの高級腕時計を複数本預ける利用者も
少なくありませんでした。
しかし、2024年1月。
トケマッチは突如としてサービスの終了と会社解散を発表します。
その直後、運営会社の元代表である福原敬済容疑者と、
元社員の永田大輔容疑者が中東・ドバイへ出国。
連絡が取れなくなったことで、
警視庁は業務上横領や詐欺の疑いで捜査を進め、
国際手配に踏み切りました。
福原敬済容疑者にかけられている容疑内容
捜査関係者によりますと、
福原敬済容疑者は2023年8月ごろ、
トケマッチを利用していた男性から
ロレックスの腕時計15本、
時価およそ1800万円相当をだまし取った疑いが持たれています。
本来であれば、預かった時計は
レンタル用として管理され、
利用後には返却されるはずでした。
しかし実際には、
預けられていた腕時計の多くが
利用者に無断で質屋や買い取り店に売却されていた
とみられています。
被害規模は想像以上に大きかった
トケマッチを巡る被害は、
一部の利用者に限られたものではありません。
警視庁によりますと、
被害届は全国45都道府県で受理され、
被害者数はおよそ650人。
被害総額は、高級腕時計およそ1700本分、
金額にして28億円以上にのぼるとされています。
年齢層も20代から80代までと幅広く、
老後の資産運用や副収入目的で利用していた人も多かったことから、
社会的な衝撃は非常に大きなものとなりました。
【顔画像】福原敬済容疑者とはどんな人物なのか

名前や基本プロフィール
名前:小湊敬済(こみなと たかずみ)
本名:福原敬済
出身:大阪府
生年月日:1981年
年齢:44歳
血液型:B型
趣味:ドライブ、旅行、食べ歩き
座右の銘:「試練は乗り越えられるものにしか訪れない」
公の場では「小湊敬済」という名前を使用し、
実業家として活動していました。
国籍については、日本国籍とみられています。
お笑い芸人との意外な関係
トケマッチの社長こと小湊敬済はドバイに逃げたね
芸人の森田もこんな画像出てさぞ迷惑だろうな#トケマッチ #溶けマッチ #小湊敬済 #さらば森田 pic.twitter.com/WDGq3Xdg4r— 武 (@btXrP8N8XIJPAJY) March 7, 2024
福原敬済容疑者は過去に、
お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田哲矢さんと
対談を行ったことがあり、
中学時代の同級生だった
という関係性が明らかになっています。
この点からも、
ごく普通の家庭環境で育ち、
特別な経歴を持つ人物ではなかったことがうかがえます。
不動産業界での成功と挫折
高校卒業後、福原容疑者はすぐに就職したとされています。
最初に勤めた不動産会社は、
わずか1年ほどで倒産。
その後も複数の仕事を経験しながら、
再び不動産業界へと戻ります。
この不動産会社では営業成績トップを記録するなど、
一時は大きな成功を収めました。
その実績をもとに独立し、
自身の不動産会社を設立しますが、
資金繰りの悪化などから、
およそ3年で会社は閉業に追い込まれました。
トケマッチ立ち上げと急成長
2021年、福原敬済容疑者は、
高級腕時計シェアリング事業「トケマッチ」
不動産事業「ハウスーモ」
この2つの事業を同時にスタートさせます。
特にトケマッチは、
高級時計を眠らせずに収益化できる
という新しさから注目を集め、
2023年8月には預託本数が1500本を突破。
一見すると、
順調に成長しているスタートアップ企業に見えていました。
なぜトケマッチは破綻したのか
問題の本質は、
利用者が預けた高額資産を
運営側が一括管理する「預託型ビジネス」にありました。
管理体制や監査体制が不十分なまま、
事業規模だけが拡大。
収益が回らなくなると、
返却資金を確保するために
預かった腕時計を無断で売却するという
最悪の選択に至った可能性が指摘されています。
被害者の腕時計は戻ってくるのか
最も多く寄せられている疑問が、
「預けた腕時計は戻ってくるのか」という点です。
現時点の捜査情報では、
一部の腕時計は中古市場や質屋で確認され、
返却手続きが進められているケースもあるとされています。
しかし一方で、
すでに転売され所在が分からなくなっている時計も多く、
全ての被害者に時計が戻る可能性は
極めて低いと見られています。
今後は、
刑事裁判の進行と並行して、
民事での損害賠償や資産回収が焦点になる見通しです。
今後の捜査で注目されるポイント
今後の捜査で注目されるのは、
福原敬済容疑者単独の犯行だったのか
資金の流れはどこへ消えたのか
共犯者や関係者の存在
失われた資産の回収可能性
といった点です。
被害の規模を考えると、
社会的責任や再発防止策についても、
厳しい目が向けられることは避けられないでしょう。
まとめ
トケマッチ事件は、
新しいビジネスモデルに潜むリスク
高額資産を預けることの危険性
事業者の透明性の重要性
これらを強く浮き彫りにした事件でした。
福原敬済容疑者の逮捕によって、
ようやく真相解明への道が開かれましたが、
被害者の救済にはまだ長い時間がかかると見られています。
今後の捜査と司法判断の行方に、
引き続き注目が集まります。