声優であり、長年にわたり日本の放送文化を支えてきたナレーターの石原良さんが、2025年12月14日、急性心不全のため亡くなりました。
94歳でした。
17日、所属事務所である青二プロダクションが公式に発表し、多くのファンや関係者に深い悲しみが広がっています。
本記事では、石原良さんの死因やこれまでの経歴、家族構成、そして代表作品について、公開されている情報をもとに詳しく整理します。
石原良さんの死因について
石原良さんの死因は「急性心不全」と発表されています。
所属事務所の青二プロダクションは公式サイトで、
「弊社所属 石原良 儀（94歳）は、令和7年12月14日に急性心不全のため永眠いたしました」
と報告しました。
急性心不全は、心臓の働きが急激に低下し、全身に十分な血液を送れなくなる状態を指します。
高齢者に多い疾患の一つであり、持病や加齢による心機能の低下が背景にある場合も少なくありません。
なお、葬儀については「ご遺族の意向により近親者のみで執り行われた」とされており、静かに見送られたことが伝えられています。
石原良さんの経歴と歩み
石原良さんは、1931年3月31日、熊本県熊本市に生まれました。
若い頃から放送や演劇の世界に魅了され、1950年にNHK熊本放送劇団に入団します。
その後、1952年にはNHK福岡放送劇団へ移籍し、さらに1955年にはラジオ東京放送劇団へ参加しました。
以降も、
土の会
東京俳優生活協同組合
劇団どらま座
と、複数の演劇・俳優団体で経験を重ね、1965年には劇団現代人の立ち上げにも参加しています。
その後、東京アーチストプロダクションを経て、日本を代表する声優事務所である青二プロダクションの創立メンバーとして所属しました。
特筆すべき点として、石原さんは声優としての活動だけでなく、青二プロダクションのロゴデザインも手がけています。
俳優としてだけでなく、事務所の礎を築いた一人として、業界内での評価は非常に高いものでした。
テレビアニメ草創期には複数の作品に出演しましたが、次第にその落ち着いた声質と表現力が評価され、ナレーターとしての仕事が中心となっていきます。
石原良さんの人物像
石原良さんの音域はハイバリトンとされ、深みと安定感のある声が特徴でした。
ナレーションでは、事実を淡々と伝えながらも、視聴者の感情に自然と寄り添う語り口が印象的です。
趣味はデジカメやCGとされており、新しい技術や表現にも関心を持ち続けていた人物像がうかがえます。
また、熊本県出身らしく、方言は熊本弁だったことも公表されています。
長年第一線で活動しながらも、表に出すぎることはなく、作品を支える「声の職人」としての姿勢を貫いた人物でした。
妻や子供はいる？家族構成について
石原良さんの妻や子供、家族構成については、公式には詳しい情報は公表されていません。
所属事務所の発表でも、ご遺族に関する具体的な記載はなく、葬儀も近親者のみで執り行われたとされています。
そのため、
結婚していたかどうか
配偶者の有無
子供の人数や職業
といった点については、現時点では不明です。
長年メディアに関わる仕事をしていながらも、私生活を表に出さない姿勢を貫いていたことが、石原さんらしさともいえるでしょう。
石原良さんの代表作品 テレビアニメ編
石原良さんの名前を一躍有名にしたのが、テレビアニメ『サイボーグ009』の002役です。
1968年放送の同作で演じた002は、スピード感とクールさを併せ持つキャラクターで、多くの視聴者の記憶に残っています。
そのほか、以下のような作品にも出演しています。
鉄腕アトム（1964年）
遊星仮面（1966年）
魔法使いサリー（山部先生役）
キックの鬼（ナレーション）
巨人の星
宇宙空母ブルーノア（ナレーション）
いずれも、日本アニメ史において重要な作品ばかりです。
劇場アニメ・吹き替えでの活躍
劇場アニメでは、
鉄腕アトム 宇宙の勇者
サイボーグ009 怪獣戦争
空飛ぶゆうれい船
三国志 完結編・遥かなる大地
などに出演しています。
また、海外作品の吹き替えにも多数参加しており、
炎のロシア戦線
猿人ジョー・ヤング
などで、重厚な演技を披露しました。
人形劇『サンダーバード』や『スーパーカー』など、特撮・海外ドラマファンにもなじみ深い存在でした。
ナレーターとしての代表的な仕事
石原良さんの真骨頂ともいえるのが、ナレーションの仕事です。
NHKの『クローズアップ現代』をはじめ、
映像の世紀
NNNドキュメント
素敵な宇宙船地球号
など、社会性の高い番組で長年ナレーションを担当しました。
落ち着きと説得力のある声は、番組の信頼性そのものを支えていたといっても過言ではありません。
まとめ
石原良さんは、声優・ナレーターとしてだけでなく、青二プロダクション創立メンバーとして業界の基盤づくりにも尽力した人物でした。
急性心不全により94歳で亡くなりましたが、その声は数多くの作品の中で、これからも生き続けます。
派手さはなくとも、確かな技術と誠実な姿勢で日本の放送文化を支え続けた石原良さん。
その功績は、今後も語り継がれていくことでしょう。
