かつて日本を訪れる外国人観光客の間で日本食といえば「寿司」が定番でした。しかし、ここ数年でその構図が大きく変わりつつあります。今、ラーメンが寿司を超える勢いで外国人観光客から支持されているのです。
「火を通していて安心」「味に深みがある」「お腹がいっぱいになる」など、様々な理由で選ばれているラーメン。そのなかでも、とんこつラーメンは特に圧倒的な人気を誇ります。
この記事では、外国人に人気のラーメン店10選とともに、なぜラーメンがここまで海外で人気なのか、その理由を深掘りしていきます。
なぜ外国人観光客は寿司よりラーメンを選ぶのか?
とんこつ人気の裏にある“味のインパクト”
トリップアドバイザーの調査によると、人気ラーメン店ランキングの上位には「一蘭」「一風堂」などのとんこつ系ラーメン店がずらりと並びます。これは一時のブームではなく、世界中で“RAMEN=とんこつ”というイメージが定着しつつある証拠です。
世界的アーティスト・リアーナ、サッカーのD.ベッカム一家、俳優のチャン・グンソクなどの海外有名人も日本でラーメンを堪能したことをSNSで発信しており、インフルエンサー効果も見逃せません。
外国人に人気のラーメン屋10選【東京・京都・全国編】
ここからは、トリップアドバイザーや旅行サイトの評価、そして実際の外国人観光客の口コミなどをもとに、特に外国人に人気の高いラーメン店10軒を厳選してご紹介します。
① 一蘭 渋谷店(東京・とんこつ)
世界的にも知名度抜群の一蘭。特に渋谷店は、連日行列ができるほどの大人気。個別仕切りのカウンター「味集中カウンター」は、文化体験としても楽しめると好評です。
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特徴:臭みのないとんこつ、カスタマイズ可能
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外国人の声:「麺の硬さやスープの濃さが選べて楽しい!」(米・30代男性)
② 一風堂 銀座店(東京・とんこつ)
「白丸」「赤丸」など洗練されたとんこつスープが魅力の一風堂。世界展開も積極的で、初めてラーメンを食べる外国人にもおすすめ。
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特徴:万人受けするマイルドな味
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外国人の声:「アメリカにも店舗があるけど、本場の味は格別!」(米・女性)
③ 九州じゃんがら 秋葉原本店(東京・とんこつ)
秋葉原のカルチャーと融合したユニークなラーメン店。トッピングが豊富で、ベジタリアン対応メニューもあり、選択肢の多さが魅力。
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特徴:濃厚ながらも優しい味わい
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外国人の声:「いろんな具材を選べて楽しい!店員さんも親切」(仏・20代女性)
④ T’sたんたん グランスタ東京(東京駅・ヴィーガンラーメン)
東京駅構内にありアクセス抜群。動物性素材不使用のヴィーガンラーメンで、宗教や健康志向の旅行者にも配慮されたお店です。
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特徴:動物性不使用・グルテンフリー対応あり
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外国人の声:「日本でもヴィーガンラーメンが食べられるのが嬉しい!」(独・40代女性)
⑤ Ayam-YA 京都店(京都・ハラル対応)
ハラル認証を受けた京都のラーメン店。ムスリム圏からの観光客にも対応しており、祈祷室まで完備という徹底ぶり。
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特徴:100%ハラル、ピリ辛ラーメンが大人気
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外国人の声:「スパイシーでクセになる!安心して食べられるのがいい」(マレーシア・男性)
⑥ ラー麺 陽はまた昇る(京都・鶏白湯)
伏見稲荷大社の近くにあり、観光ついでに立ち寄る人が多いお店。看板メニューの鶏豚骨ラーメンが大人気。
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特徴:自家製麺と丁寧に炊いたスープ
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外国人の声:「あっさりしてるけどコクがある。唐揚げも絶品」(豪・カップル)
⑦ 麺ビストロ Nakano(京都・フレンチラーメン)
ラーメンとフレンチの融合という新スタイル。ワインやアラカルトと楽しむラーメンのコース料理が外国人にヒット。
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特徴:白しょうゆ麺やトリッパ入りなど個性的
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外国人の声:「フランス料理のように優雅にラーメンを楽しめる」(仏・女性)
⑧ 祇園麺処 むらじ(京都・鶏白湯)
町家風の外観とSNS映えする「檸檬ラーメン」が大人気。女性客やアジア圏の旅行者に強く支持されています。
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特徴:鶏白湯スープ+レモンのインパクト
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外国人の声:「写真を撮らずにはいられないラーメン!」(韓国・女性)
⑨ すごい煮干ラーメン凪(新宿・煮干し系)
海外ではまだ珍しい煮干しベースのスープが新鮮に映るようで、外国人にも好評。クセはあるがハマる味。
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特徴:超濃厚な煮干しスープ
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外国人の声:「クセになる味!スープを飲み干したのは初めて」(加・男性)
⑩ ラーメン無敵家(池袋・背脂系)
池袋の人気行列店。背脂系とんこつ醤油のパンチあるラーメンは、特にアメリカ人やヨーロッパ人に大ウケ。
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特徴:重厚なスープと極太麺
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外国人の声:「ボリューム満点で最高!また来たい」(英・学生)
なぜ外国人はラーメンに惹かれるのか?
職人文化の魅力
慶應大学の若新雄純准教授は、「寿司職人のように、ラーメンももはやラーメン職人と呼ぶにふさわしい」と述べています。長時間煮込むスープ、手間を惜しまない麺作りなど、クラフトマンシップがラーメンに凝縮されている点が、外国人にも感動を与えているのです。
“体験”としての魅力
ホラン千秋キャスターも述べたように、「麺=パスタに近く、馴染みやすい」という点も見逃せません。さらに、食べ方の自由さ、音を立てる文化の違いなど、ラーメンはその国独自の食体験として受け入れられやすいのです。
インバウンド施策としてのラーメンの可能性
日本では人口減少が進んでおり、今後の飲食業界は外国人観光客の獲得がカギとなります。今回紹介したラーメン店はいずれも、SNSや口コミを活用したり、ヴィーガン・ハラル対応などを積極的に行ったりしてインバウンド対策を徹底しています。
まとめ|ラーメンはもはや“世界共通語”に
とんこつ、鶏白湯、煮干し、ヴィーガン…。日本各地のラーメンが多様化する中で、外国人のラーメン愛もどんどん深化しています。
ラーメンを食べるために日本に来る――。そんな観光客がますます増えていく未来が見えてきました。観光やお店選びの参考に、ぜひ今回の10選を活用してみてください。
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